空高く、春。 まだまだ寒い。空気が冷たい。あさまだき、から布団から出ると、触れた空気に身震いする。朝日が徐々に、ゆっくりと黄味を帯びて、空気に混じる。優しさを含んだ光が壁を包み、やんわりと跳ね返る。湿り気を帯びた空気は水滴となって、窓が泪を零した。泪を指で拭い、窓を開ければ空高く、春。花の梢は芽吹き。 PR